【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
ミリアムは父が何を言っているのか意味がわからなかった。


「王家が……アデラール殿下が、そこまで愚かなわけがないだろうっ!」

「……なんで?」

「ここまで話が進んでいるのならどうにもできない。間違いなわけがないんだよ!」


ミリアムは耳がおかしくなってしまったのかと思った。
父がここまで落ちぶれてしまったことに大きなショックを受けていた。
それは母も同じだったのだろう。
苛立ちで鼻息が荒くなり、今にも殴りかかってしまいそうなほどに顔が歪んでいる。


「お前たちは、このパーティーには参加しなくていいっ!」

「はぁ!? お父様、頭がおかしくなったんじゃない? 領民も屋敷の人たちもアデラール殿下もみーんな、あの女に洗脳されているのよ!」

「──もう遅いんだよっ! あの時、シルヴィーの有能さに気づいてさえいればこんなことにはっ」

「………………え?」

「シルヴィーを選んでいたら……」


父が……ミリアムを愛してくれていたはずの父がシルヴィーを選んだ。
そのことが許せない。
ミリアムの中でプチリと糸が切れる。
魔法の影響なのか、ミリアムのまとう火はどんどん大きくなっていく。
さすがの父も違和感を覚えたのだろう。


「とっ、とにかく今は魔法を使うな。勝手なことをしたら出て行ってもらう!」

「…………」


父はミリアムがいなくなると雑用や買い出しができないから外にだしたがらない。
きっとシルヴィーも同じような理由で屋敷にいることを強要していたのだろう。
ミリアムは今、あんなに馬鹿にしていたシルヴィーと立場が同じ……いや、それ以下なのかもしれない。

(…………信じられない)
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