【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
それが一週間前のこと。
夜会の日に合わせて作製していたドレスが完成した。
そしてタイミングを見計らったかのように、夜会の開催日の昼間に婚約破棄をされたのだ。
浮かれていたシルヴィーは少ない荷物をまとめてレンログ伯爵邸を出た。

(こんなところもあるかもと、お母様のところに少しずつ荷物を運んでおいてよかったわ)

喜んでいいのかはわからないが、追い出されるタイミングはバッチリだ。
夜会の日と伯爵家から追放された日が同じ。
これでシルヴィーの未練はすべて断ち切れることになる。
明日からは住み込みで働くことになる。
いつこの時が訪れてもいいように少しずつ準備をしていたことが功を奏したようだ。

振り返ると窓のからはミリアムとロランは寄り添いながらこちらを見下しているのが見えた。
もちろん父もシルヴィーに何も声をかけることはない。
シルヴィーはつらい思い出しかない屋敷に背を向けて、門の外へと足を進めた。

この時、自由になれる開放感と新しい幸せな未来を夢見ていたシルヴィーは、最悪な一夜になるとは思いもしなかった。
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