【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
それからリーズは自分のように行き場のない貴族の令嬢をこっそりと助けて街で暮らすための手助けをする活動を続けているそうだ。
病で動けない母とシルヴィーを快く受けれてくれたのも、そういった経緯があるらしい。
そんなリーズをシルヴィーは心から尊敬していた。
貴族御用達の高級服飾店ではあるが、裏方のため顔を見られることもない。
そういった面でも安心だし、住み込みで働けるのもありがたい。

シルヴィーは自身が製作したドレスをリーズと母に見せる。
いつかこんなドレスを着てパーティーに出てみたい、そんな夢を詰め込んだドレスだ。

(結局、病気だからと社交界デビューもさせてもらってないから……)

義母はことごとくシルヴィーが社交界に出ることを絶対に嫌った。
ミリアムを目立たせたかったのかもしれないが、シルヴィーはその理由まではわからない。

本来、子どもの魔法属性がわかった時点で王家に報告するのが義務となっているが、父がそれを行ってはいないだろう。
ミリアムのことはしっかりと伝えたに違いない。
実際、そうする貴族たちが多いと聞いた。リーズも生家もそうだったそう。

(……こんなにも人のために役立つ魔法なのに)
 
貴族の女性が職を持つのはよしとしないため致し方ないのだが、自分のように魔法で苦しんでいる人がいるのならリーズのように救いたいと思った。
リーズや母に手伝ってもらいながら自作のドレスを着用する。
実は今日の夜会に出るために、前もって準備を手伝ってもらうように手紙で頼んでいたのだ。
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