【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
(堂々としていましょう。もうこの人たちとは二度と会うことはないんだもの!)

恐らくここにいるのはパーティーや夜会に慣れている貴族たちばかりだ。
どうせ最後なら楽しまなければと、辺りを見回しつつ壁へと移動した。
一度目のパーティーの時と同様に、こうして眺めているだけでも十分楽しめる。

(あのシルバーの髪の方、とてもモテるのね。たしかマリア王女殿下もああいう髪色だと聞いたことあるけれど……)

シルヴィーの上半分の仮面とは違い、全顔を覆い隠している仮面を着用している。
素顔は見えないはずなのに、こんなにもモテるのがシルヴィーには不思議に思えた。
そんな時、シルヴィーが彼を見つめていると目が合ったような気がした。
ライトブルーの瞳がこちらを捉えて離さない。

シルヴィーは後ろを振り向いて誰かいないかを確認する。

(誰もいないわ……)

視線を戻すと、もうシルバーの髪の青年との視線が交わることはなかった。

(……気のせいかしら?)

シルヴィーは首を傾げてその場から離れた。
夜会に出席することが初めてで何をすればいいかわからない。
周囲を見回しつつ、非日常の夢のような景色に見惚れていた。


「お嬢様、こちらはいかがでしょうか?」

「…………え?」
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