【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
どうやらこのタイミングで婚約を破棄され追い出されたことも、招待状や仮面が置いてあったのも、すべてはラディング侯爵と父によって仕組まれたことだったようだ。

つまりシルヴィーを利用して売り払う契約をして、今日は生贄としてここに来たことになるのだろう。
シルヴィーが何も言わずに俯いているとラディング侯爵はペラペラと今回の計画について勝手に喋り出した。


「何度やっても綺麗な花を潰すのは楽しくてやめられない。毎回、騙されて浮かれてやってくる馬鹿ばかりだ」

「…………」


普通の令嬢ならばここで泣き出して絶望するのだろう。
だが、シルヴィーの頭を支配するのは怒りと呆れだ。

(ここまでクズだなんて……金のためならなんでもやるのね)

それからラディング侯爵は紅椿と真っ白な仮面は何も知らない令嬢が、犠牲になる際に必ずつけていることを説明していく。


「ワシは何人も何人もお前のような娘を自分のものにしてきた。この夜会もワシが楽しむために開いたものだ」

「…………」

「ハハッ、突然夜会に誘われるなどおかしいと思わなかったのか?」


シルヴィーはその言葉を聞いて拳を握り込んだ。
完全に抵抗をやめたと勘違いしたラディング侯爵は満足げに笑う。


「ああ……この絶望して何もかも諦めた時の顔がたまらないっ!」
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