【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
──ガンッ

その勢いでラディング伯爵は背中から床に落ちてしまったようだ。
床が軋むような重たい音が響いていた。
彼の手から縄と鞭がポロリと落ちてシルヴィーの視界に入る。


「へへっ……ふっふっ」

「お、おい」


シルヴィーは意識が朦朧としつつ、笑いが止まらなくなってしまう。
そのまま腕を伸ばして縄に魔法を使う。
すると縄はラディング侯爵の腕へ複雑に絡んでいき、ベッドの足へと四つ這いのような形で固定してしまった。
彼の悲鳴が聞こえたような気もしたが、シルヴィーは鞭を持ちながら彼の前へ。


「あはっ、あははは……!」


不気味に笑い出したシルヴィーにラディング侯爵の顔がどんどんと引き攣っていく。
この時、シルヴィーの酔いは完全に回っていた。


「おまえは……ゆるさな、ひっく」

「落ち着けっ、ワシが悪かったから……!」

「いたみおもいひれ……!」


シルヴィーはしゃっくりを繰り返し、呂律が回らずにいた。
力いっぱい鞭を振り上げたシルヴィーは容赦なく鞭を振り下げる。
ベチンと凄まじい音と共に、抵抗するように前に出していたラディング侯爵の尻を弾き飛ばした。


「──ッ!」


痛みから声も出ないラディング侯爵はベッドサイドに頭をぶつけながら悶えていた。
痛みに耐えるようにうつ伏せになっているラディング侯爵の背に馬乗りになる。
彼は腕を何度も引くがベッドがわずかに動くだけで抜け出すことはできない。


「ひっ……か、金はやるっ! いくらでもやるからっ」

「ヒック……許さなぁい、ゆるさなぁい」


身動きできなくなった男性の尻に目掛けて、シルヴィーは思いきり腕を振り上げてから唇を歪めた。
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