【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
しかしラディング侯爵は用心深く滅多に尻尾を出さない。
唯一、顔を出すのは秘密の夜会で狙いを定めた令嬢を食い散らすために用意されたものだと知った。
これ以上、犠牲を出すわけにはいかない。

彼の獲物は紅椿の花が描かれた白い仮面をつけた令嬢。
それが今夜の犠牲者だ。何も知らないまま彼のものになる。
そのほとんどは金目的で売られてしまう令嬢たちだ。

(なんて悪趣味なんだ……許せない)

令嬢を売り払った家族たちも処罰してやりたいが、証拠が掴めないことや警備も厳重。
彼の妻たちに接触しようとしてとずっと虐げられ続けた令嬢たちは、泣きもせず怒りもせず、すべてを諦めた表情で何も話してはくれない。
アデラールは己の無力さに打ちのめされていた。このまま好き勝手にやらせるわけにはいかない。
父には内通者を炙り出してもらい、アデラールは決定的な証拠を掴むために動いていた。

アデラールはなんとか夜会の招待状を手に入れることに成功。
潜入して決定的な証拠を掴もうとしていた。
王太子であるアデラールがそこまでやる必要はないと近衛騎士に止められたものの、剣の腕には自信があるし王族があるが故にどんな魔法も力で捩じ伏せることができた。

王族の中でも次期国王となる人間には特別な力が与えられる。
それは貴族たちよりも大きな魔法の力だ。
国に訪れる危機によって与えられるといわれていて、父も長期間雨が降らずに困り果てていた国々に雨を降らせた。
王家はいわば救世主のような立ち位置となり国民の支持を得ている。
< 53 / 210 >

この作品をシェア

pagetop