【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
(胸糞悪くて吐き気がする。シュマイディト王国をこれ以上、穢されるわけにはいかない。絶対に現場を抑えて二度とこのような悲劇が起こらないようにしなければ……)

令嬢たちの言った通り、椿の仮面をつけた令嬢はラディング侯爵の指示を受けたウェイターに酒を勧められている。
それがおかしいことだということも彼女はわかっていない様子だ。

(今すぐに彼女に駆け寄り助けたいのに……クソッ)

アデラールは拳を握る。
今すぐにに捕らえてやりたいのに、それができないことがもどかしい。
証拠を抑えるためとはいえ、彼女には怖い思いをさせてしまうだろう。
そう思うと罪悪感に押し潰されてしまいそうだ。

(……必ず君を助けるから)

彼女を守りたい、あの笑顔をもう一度見たいと強く思う。
アデラールはそっと視線を逸らして悔しさを噛み締めた。

そして彼女の動きを見守っていると、ついにその時は訪れた。
椿の仮面をつけた令嬢とラディング侯爵と接触したのだ。

アデラールも女性たちをいなして、ラディング侯爵にバレないように後をつけていく。
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