【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
それにアデラールはミリアムは何度も顔を合わせたことがある。
随分と自信家で、自分が火属性を継いだことを話していたが魔法の力は強くないようだ。
しばらくすれば消えてしまいそうな蝋燭の火。そんなふうに思えた。

(たしか前妻は事故死したと報告を受けた。後妻との娘がミリアム嬢ということはシルヴィー嬢は前妻との間の娘か……)

アデラールはずっとシルヴィーを探していた。
恐らく糸や編みものの魔法だと聞いて回ったが、レンログ伯爵は『うちには火魔法を使う娘しかおりません』と言った。
もちろんアデラールもレンログ伯爵家の病弱な娘のことは知っていた。
最近、婚約者もできたそうで彼女ではないと除外していたのだ。

(あの時、もっとちゃんと話を聞いていたらこんなことには……!)

しかしそれは嘘で、恐らく彼女を虐げていることがバレたら罰を受けると知っていたのだろう。
それが今になって金が必要になり、侯爵に売ったのだとしたら辻褄が合う。

(レンログ伯爵め……己のしたことを後悔するがいい)

そんなことを考えていたアデラールだったが、騎士たちは焦りつつも口を開く。


「オレはアデラール殿下を信じてました!」

「俺もですっ! アデラール殿下はそんなことしないって思ってました」

「…………」
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