【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
毎日、顔を合わせる三人は最初からシルヴィーは監視するために送り込まれたのだろうか。
シルヴィーが顔を曇らせると、彼らも申し訳なさそうに眉を寄せた。

アデラールはシルヴィーからそっと手を離す。
彼はシルヴィーの気持ちを察してくれたのだろうか。


「ごめんね。本当はこんなことをしたくなかったんだけど仕方ないんだ」

「……っ」


だが、こうして目立つ容姿のホレスが人攫いにあうこともなく育てられたのは彼らのおかげなのだろう。
いつもそばにいてくれたからこそ、シルヴィーたちがこうして平和に暮らすことができていた。
そこは彼らに感謝しなければならない。


「それに……僕が君のことを絶対に逃がしたくないと思ったから」


その言葉を聞いて、シルヴィーは彼の顔をまっすぐ見ることができなかった。
緊張からか、はたまた恐怖からか震えが止まらなくなる。

(やっぱりアデラール殿下はあの時のことを……っ)

アデラールは目の前に立ったままだ。気まずい沈黙が流れていく。
シルヴィーは拳を握り、覚悟を決める。
きっとこれからシルヴィーはホレスのそばにいることはできないだろう。

(覚悟を決めないといけないわ。わたしがどうなってもホレスだけは幸せに生きていてほしいっ)

シルヴィーは歯を食いしばり顔を上げる。
ホレスわー守るためだったら、なんだってできるような気がした。
アデラールは困ったように笑っていた。
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