運命的な出会いには裏がある。
「どっち飲みます?」


 そう言って再度身体を乗り出してチューハイとビールを見せるとお兄さんは驚いた表情をしていた。


「え、俺まで?」

「明日お仕事だったら飲めないか…。もしよければ晩酌に付き合ってほしいなと思ったんですけど」

「明日は実は休みです。なんで、ビールいただきます」


 ありがとうございますとお礼を言いながら私の手から缶ビールを受け取る。

 タブを爪で引っ掻けて開けると、こちらに缶ビールを向けてきてそこに軽くぶつける形で乾杯をする。


「お兄さん、お酒飲める年齢…?」

「え、何歳だと思ってるんですか」

「20歳前後かなって」

「いやいや、そこまで若くないですよ。26です」

「ええ!?私の1つ上!?」

「そんな驚く事?」


 私の反応に苦笑いしていて、ビールを口の中に注ぎ込む。

 今まで20代前半だと勝手に思い込んでいたからそう聞けば変な感じがする。幼い顔立ちをしているわけでもないけど、こんなに綺麗な肌をして私より年上…?と思えば、まじまじとお兄さんの顔を見てしまう。


「…そんな子供っぽく見えます?」

「そうじゃないですけど、ええ…、そうなんだ…」


 今まで年齢が近いとも思っていなかったから、そう考えたら恋愛したって全然良いじゃん…と思えてきた。
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