運命的な出会いには裏がある。
「今度は、琴葉のおすすめの店も連れてってよ。今日は、俺のおすすめの店だったし」


 話を急に変え次回の食事の話をしている。

 次回も当然の様に行く約束をしているのは、少し強引だけど嫌いじゃない強引さだ。


「おすすめかー…」

「そもそもどんな店が好きなの?」

「…今日さ、本当はオシャレなダイニングバーとかカフェに連れていかれたらどうしようって思ってたの」

「何で?」

「実は…、オシャレなお店も悪くないけど、今日の中華屋みたいな雰囲気とか、ラーメン屋とかファーストフード店とか、焼肉とか、お好み焼きとかそういうお店で食べ物の方が好きだったから、嬉しかったりしたんだ」

「そうだったんだ」


 当然そういうお店に連れていかれても、浮かれたとは思うし喜んだとは思う。

 でも、どうにも雰囲気が私には似合わない気がしていたし、食べる物もそっちの方が嬉しい。

 バーでオシャレに飲むお酒よりも、居酒屋とかでわいわい飲むお酒が好きだし、もっと言えばひとりで家で飲むお酒も好き。

 こんな考えをしているくせに、一丁前に恋に憧れはあって、いざオシャレなことをされると身構えて自分らしく居れなくなる。

 我ながら面倒な女だなと思う。


「じゃあ、俺もそういう店好きだから、またそういう店で」


 そう言って笑顔を向けてくれる暖。実はそういう所も少しづつハマりかけてしまっている私がいる。
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