運命的な出会いには裏がある。
𓂃٭


 次に目を覚ました時には見慣れた天井だった。

 いつの間にか自分の家に戻ってきたと思ったのだけど、身体を起こして辺りを見渡したら私の家ではなかった。

 部屋のつくりは同じだけど、置かれている家具やインテリアが私の部屋の雰囲気とは全く違っている。

 この部屋はきっと、暖の部屋だ。ということは、初音と暖の事、もしかして夢ではなかったのだろうか。

 ベッドから出て寝室のドアを開けると、暖の姿はリビングにもない。

 ベランダの方に目を向けると暖の後姿を見つけ、一気に緊張感が襲い掛かってきた。

 どう問いかける?初音と知り合いなの?と正面からぶつかる?

 別に知り合いなことはいい。こんな狭い地元じゃあってもおかしくない話だ。

 だけど、あれが夢じゃないなら、いくつも気になるワードがあった。

 女関係手が早い、やっぱりって言って切る、協力、卑怯なやり方。それでいて、2人が親しい関係性に見えたこと。

 暖は、いつから私の事を知ってた?運命だと浮かれている私を、初音と2人で笑っていたのだろうか。

 頭が困惑していて、どこから整理していけばいいか悩んでいると、リビングの掃き出し窓が開いてそこから暖が入ってきた。


「お、おはよ。起きたんだ」


 暖の様子に変わったところはない。普通なら私は何で暖と一緒にこの部屋にいるのか聞かなければならないけど、気になることが多すぎて一言目から悩んでしまう。
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