運命的な出会いには裏がある。
「それで、他は?」

「後は、ジム。あのチラシ入れたの俺」

「え!?あれポストに無差別に入れられてるやつじゃないの!?」

「違う。身体動かす趣味やりたいって聞いて俺が入会して、そのジムのチラシ取って入れただけ」


 そして私はまんまと引っかかってしまったわけか。

 身体動かす趣味をしたいって言った矢先、確かにグッドタイミングすぎる案内だと思った。話を聞いていた暖が入れていたと思えば何もおかしくない。


「運命、とかそんなん分からないから、あまりにも偶然が重なったら琴葉はそう信じてくれるかなって期待はしてた」

「確かに、ちょっともしかして…?ってもう流されかけてた私が居たけど…。何でそこまでして私に会いたかったの?」

「初音からよく琴葉の話は聞いてたし、それに写真の中の琴葉の笑顔がめちゃくちゃ可愛くて、気になって仕方なかったから」


 そう言いながら私の手を繋ぐ暖。その表情が凄く優しいもので、顔が好きだから見た目にときめいているのか、そこまで追ってくれてここまで好きになってくれる人なんていないんじゃないかと気持ち的にときめいてしまっているのか、分からなかった。

 多分私がここで暖を拒否する気になれないのは、初音の従兄妹っていうだけでちょっとした信頼があるのと、ベランダとか一緒に食事をしたあの場だけでも、私が暖を気になってしまったからなのだと思う。
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