運命的な出会いには裏がある。
「もう1つ、女関係手早いって何」

「…それも聞いてたんだ」

「全部聞いてた」


 暖は気まずそうに目線を逸らして「高校の時とか遊んでたから、その事を言ってると思う」と答えた。

 この見た目だし、彼女が何人もいたとか言われても確かに変ではない。実際女性が放っておかないだろうし。

「そういうことね」と呟くと、この後はどう暖と向き合うべきか分からなかった。

 ここでじゃあ交際しましょも違うし、全てを白状されても別に警察に行こうとは思わない。

 暖が一生懸命手繰り寄せてくれた縁ならば、ここで切ってしまうのも…と思ってしまう。


「琴葉、本当ごめん。全て聞いた上で気持ち悪いとか、嫌って思ったら引っ越すし、もう琴葉の前には出てこない」


 私を大事には思ってくれているのか、そんな発言をしていたけれど私は思わず「え?」と返してしまった。


「え?って…」

「もうやってしまったものは仕方ないし、ここまで来て引くの?」

「…どういうこと?今俺煽られてんの?」

「恋の為にここまで出来るの凄くない?むしろ感心しちゃったよ」

「ま、待って、俺琴葉がポジティブすぎて怖い」


 何で寛容な心で許そうとしている私が怯えられるんだ。理不尽。
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