運命的な出会いには裏がある。
「私、暖の事気になってるし…。ここでやめられたら寂しいから。今後私の事は私に聞いて」


 まだ好きとかそういうのに踏み込むのは早すぎる。

 それにこんなに仕組まれた運命じゃ、私が元々理想としていた恋ではない。

 だけど、全てを聞いても、結局出会い方とか、好きになる理由とか、そういうの全てどうでも良いのではないかと思った。全部聞いた上で、私は暖と関係を続けたいと思ったから。


「…本当に怖くねぇの?」

「…初音の従兄妹って条件が無かったら引いてたかも」

「初音の信頼感すげぇな」


 初音もずっと恋が出来そうにない私の事を気にしていたし、実はそれもあって協力してくれていたのかもしれない。100%自分の為だけに動く友人では無いと思っているから。


「…今日は帰るかな。色々知って驚いて疲れちゃった」

「琴葉」

「ん?」

「次の週末、夜なら空いてるからデート行こ」

「で、デート?」

「そう。許されたんならもう遠慮しなくて良いなと思ったから。それに、俺の事気になってくれてるんでしょ?」


 急に積極的になる暖に、慣れていないから反応に困った。ひとまず首を縦に振ると、暖が嬉しそうに「やった」と言って笑う。

 今の笑顔の方が、さっきのカミングアウトよりも心臓に悪いのですが、私を殺す気ですか?
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