運命的な出会いには裏がある。
 その日の夜、晩御飯もお風呂も済ませ暖からの連絡をそわそわと待っていた。

 顔のパックとかをしている頃にスマホが光り«集合»と通知が来て顔がにやけそうになる。

 慌てて顔のパックを外し、整えてからベランダに出ると煙草の香りと煙が見え、ベランダの柵に手を付き覗き込む。

 暖は驚いた顔をしてこちらを見ると、私の顔を見て笑い「朝ぶり」と完全オフモードの暖が私に話し掛ける。


「…よっ」


 不自然にもそう返して蹴破り戸を挟んで隣に立つ。


「金曜日と土曜日どっちがいい?俺どっちも仕事だから夕方からならいけると思うんだけど」

「土曜日が良いな。出来れば」

「土曜日な、行きたいところある?」


 夜のデートって何だかわくわくする。きっと食事をして数時間くらいしか一緒に居られないけど、それでも十分だ。


「映画のナイトショーとかは?」

「あり。土曜日だからチケットとっとかないと、何やってんのかな今」


 なんて話ながら暖はスマートフォンを取り出した。その画面で顔が照らされていて、その横顔も格好良いなんて見惚れてしまう。

 それからこっちを見ると笑って「琴葉さん?調べてくれます~?俺らのデートなんですけど」と言いながら揶揄って来ていた。

 暖に言われスマートフォンを取り出すも、笑顔が可愛らしく心臓に悪い。というか、犬歯だろうか、犬歯が見えてそれも可愛らしく見えた。
< 35 / 61 >

この作品をシェア

pagetop