運命的な出会いには裏がある。
「なんか気になってたのあった?最近おもろいのは…」

「暖は何が好きなの?」

「SFとか、そんなんしか見ないな。てか普段映画見ないかも。家でたまにホラーも見る」

「そうなんだ。私恋愛しか見ないなあ」

「琴葉っぽ。じゃあこんなんも好き?」


 そう言ってスマホの画面を見せてくると、今ちょうど公開中の映画だ。よくありがちな病気の彼女とその彼氏の泣ける恋愛映画だけど確かに気になってはいた。

 ずっと画面を見ていると暖は少し笑って「興味ありそうね」と言って、その映画のチケットを2つ購入してくれた。


「え!?でも、それでいいの?」

「良いんじゃない?これにしよ」


 そう言って笑うとベランダの柵に置いていた手を取ってこちらを見てくる。その時の表情が優しくて見ているだけで照れくさい。

 慌てて顔を逸らすも手は振り払わなかった。嫌では無かったからだ。

 暖は楽しそうに肩を震わせて笑っていて「土曜の夜、たのしみな。店も予約しとく」と言ってくれた。

 1つしか違わない年上の彼はこんなにも甘く私をリードする。


「…本当無理、イケメンしんどい~~~~~~」

「はあ?何それ」


 私の言葉に笑っていると手は離さないで柵に頬杖を付いた状態でこちらを見ていて、照れくさい。


「もう寝るので!おやすみ!」


 そう言って手を払うと部屋に入った。

 そんな照れくさそうな私に肩を震わせて笑って「本当、かわいーな」なんて呟いていた事を知らない。
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