運命的な出会いには裏がある。
 土曜日の18時、私の部屋のインターフォンが鳴る。

 いつもここに来る人ではあるけれど、ただし荷物のお届けではない。


「おまたせ、いける?」


 おっと、爆イケ男子のお届けでしたか。

 そっとドアを閉めようとすると暖は「琴葉さーん?」と言いながらドアを掴んでくる。

 さすがに逃がしてはもらえなかった。こんなイケメンとデートとか私今日死ぬのでは?


「いけるけど、緊張的に無理」

「なんそれ?」


 そう言いながら私の腕を掴んで引っ張り出す。


「早く行こって。映画20時からだし、腹減った。先飯食いたい」

「今日の夕飯は?」

「焼肉でいい?こういうのが好きって言ってなかった?」

「よき!」

「おっけー」


 玄関の鍵を閉めながらそうやりとりをすると、暖は私の手を握ってくる。

 遊んでたというだけあってさすが慣れているなあという印象だった。

 こんな遊び人だからと分かっていても彼のやることに転がされてドキドキしてしまうのだからどうしようもない。


「てか次配達いつ?」

「月曜」

「なーんだ、俺その日休みだから俺じゃないわ」

「そうなんだ。休みかあ」


 そう言いながら手を繋がれながら歩いていると暖は顔を覗き込んで「さみしい?」なんてきいてくる。


「え、いや…」

「顔赤」


 そういうとようやく顔を覗き込むのをやめてくれた。

 イケメンのドアップ心臓に悪いってわかってますか?そろそろ心臓破裂して死にそうなんですが。
< 37 / 61 >

この作品をシェア

pagetop