運命的な出会いには裏がある。
 おかげで交友関係はかなり狭くなったけれど、私を見捨てずにこうして飲みに行ってくれる友人はまだ残っていた。

 そんな優しい友人の名は、福井(ふくい) 初音(はつね)

 彼女も彼氏はいないけれど、周りで合コンなどを計画してくれる友人がいる為、出会いはある。


「琴葉も合コンおいでよ」

「いやー…、合コンとかでは出会いたくないんだよね」

「本当出会いも求めようとしないで何言ってんの?彼氏本当に作る気ある?」

「あ、ほら。いうてまだ25だし、今はまだ無理に出会おうとしないでさ、運命的な出会いとか…まだ夢見ていいかな…とかさ」


 私がそう言った瞬間にこいつ何言ってんだ?と友人が顔を顰めているのがもう分かる。

 私の恋愛経験は過去に1度しかない。それも高校生の時だ。ずっと少女漫画に憧れてそれから抜け出せず、夢を見続けた結果、まともに恋は出来ていない。


「出会いとかじゃないんだけど、毎回配達に来てくれるお兄さん。めちゃくちゃくちゃイケメンなんだよな」

「へぇ。いいじゃん。口説きなよ」

「いやいや、向こうが怖がって引かれるオチでしょ。イケメンすぎて、あれは高嶺の花ですわ」

「イケメンと恋に落ちれたら運命だと言えないかね」

「運命ってか、奇跡だね」


 友人とそんな会話をしながら配達員のお兄さんの事を思い浮かべる。名前は知っている。

 不在表に名前が書いてあったから。

 長谷川(はせがわ) (だん)。見た目は高校生と言われても不思議に思わない程若いけど、大人っぽさがあるので勝手に大学生くらいかななんて思っていた。

 私がその男の子にがつがついけない理由は年齢だ。迂闊に恋に落ちて相手が未成年だったら、いろいろとまずいと思い、眺めるだけにしている。

 …もし大学生なら眺めているだけでも変態おばさんの称号が付いてしまうかもしれない。
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