運命的な出会いには裏がある。
「暖…」

「俺からしたらもうずっと長い片思いみたいな感じで、こんなに近くに居る様になったらどんどん欲張りになる」


 そう言って私から少し身体を離すと「好きだよ、ずっと」と甘く甘く言葉にする。


「…私も、暖が好き、です」


 こんなにずっとときめく瞬間があったのに、好きじゃないは無理があると思う。こんなの私も好きじゃないと、暖に対しての感情はどれも説明が付かない。

 暖は私の小さな声を聞いた後、私の身体を抱き寄せて強く強く抱きしめてくる。


「好き、好きだよ」

「さ、っき、聞いた!」

「いいんだよ。何回言っても」


 そう耳元で嬉しそうな声が聞こえてくる。

 暖にこんな所があったなんて知らなかった。

 暖が力を緩めるまで、私は暖の背中に腕を回して自分も精一杯抱き締める。思ったより暖の身体は大きくて受け止めるのも精一杯だったけれど、一生懸命抱き締め返した。


「…中、入ろ」


 暖はそう声にして、暗い部屋の中靴を脱いで私の手を引っ張ってベッドがある位置まで連れ出す。

 一緒に居たい、に応じた時点でそう言う事だとは分かっていたけれど、恋人になってすぐこうなるのも何だか照れくさい。

 そんな私の気持ちは多分知らず、ベッドの上に私を押し倒す。
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