運命的な出会いには裏がある。
 初音とお茶をした後、ショッピングをして夕方になっていた。

 駅前でぶらぶらとしているとスマホに通知が来る。


«まだ初音といる?»


 そんな暖からの連絡に頬が緩む。今仕事が終わったようで、真っ先に連絡くれるの愛なんですが。


「暖?」

「そう。今仕事終わったみたい」

「はいはい、邪魔者は退けろって意味ね」


 スマホをのぞき込むなり、そう苦笑いする初音。


「え?どこからそうなったの?」

「私といるのか気にしてる時点で、暖が琴葉に会いたいんでしょ。私がいなかったら『今から会える?』って聞かれるよ。試しに電話かけて、私と今離れた所~って声かけてみ。飛んでくるから」


 楽しそうな初音にそう言われ、恐る恐る通話ボタンを押す。

 何コールか鳴ると、暖に通話が繋がり『はい』と声が聞こえる。

 初音は近くで私と暖の会話を聞いている。


「あ、もしもし?今仕事終わった?」

『そう。風呂入ったり着替えたりしてた。今日は夜遅くまで初音といる?』

「あ、ううん。初音とは今離れて…」

『そうなん。じゃあ、今から俺とデートは?』


 初音の言っていた通りになり、私は思わず喜んでしまう。

 初音はほらねと呆れた表情をしていたけれど、行きなとジェスチャーをしてくれた。


「行く!今、最寄りの駅前にいるから急いで戻るね!」

『いいって。迎えに行くから。20分ぐらいで着くから、近くのカフェでも入って待っててな』


 そう言うと電話を切られる。
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