運命的な出会いには裏がある。
「ほら、暖ならそうすると思った」

「ほ、本当に良いの?初音も会う?」

「やだよ。熱々カップルに時間割く程暇じゃないし。またね、琴葉」


 初音は笑ってそう言うと手を振ってその場を離れていく。

 確かに交際して間もないからラブラブですけど…!

 初音の言葉に恥ずかしくなって両手で顔を覆い、近くのカフェに入りアイスティーを頼んで暖を待つ。

 周りは友人同士で話す人や、ノートパソコンを前に出して仕事している人、私みたいに待ち合わせまでの時間を潰している人、といろいろな人が居た。

 大人しく座って暖が来るのを待っていて、その間はスマホを取り出し、SNSを見る。

 私のSNSにも高校時代などに初音との写真をたくさん載せていて、これを見て気になってくれていたのかと思えば感慨深い。

 ふと気になって暖の方のSNSを見に行くと、ほとんど何も投稿されていなかった。

 高校時代に何人かで写っている中に暖の姿もあって、この時から顔が整っていた事を知る。


「SNSってすごいなあ」


 そうぼそっと呟いて、スマホを閉じてカフェの入り口を見ると、暖の姿が見える。

 暖は先に注文に向かい、飲み物を受け取りこちらの方に向くと、真っ直ぐこちらに歩いてくる。


「お待たせ」

「いやいや、早かったね?」

「ちょっと急いだ。てか早かったじゃん。初音と別れるの」

「あ、うん。初音が暖と会えば?って言ってくれて」

「たまには気利くな」

「こら」


 そんな憎まれ口を叩く暖に少し注意をすると笑っている。
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