鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「その……部長と私は……恋人、ですよね?」
「なにを当たり前のことを。あの日にあれだけ確認しただろう」

 孝仁に愛を囁かれ、甘く口づけされたことを思い出して、顔が熱くなる。

「そっ、それはそうですけど……私たち、付き合ってるのに、全然恋人らしいことしてないじゃないですか。デートすらまだですし……これじゃあ、ただの上司と部下ですよ」

 ずっと心の中でわだかまっていたことを吐露すれば、少しだけ気持ちがすっきりすると同時に怖くなる。孝仁はこれを聞いて、なにを思うのかと。

「はあ……本当に会社で話すべき内容ではないな」
「っ、だから、言ったじゃないですか! 部長が言わせたんですからね!」
「仕事に影響を及ぼしそうだから訊いたんだ。告白のときといい、君は色恋に振り回されすぎだな」

 振り回している張本人に冷静に指摘されるとなんだか虚しい。上司としては当然の発言なのかもしれないが、恋人としては冷たいと感じる。

「……そりゃ、私だって公私はちゃんと分けたいですよ。でも、しかたないじゃないですか。部長が好きだから、些細なことで一喜一憂してしまうんですよっ!」

 言いながら自分で驚く。どうやら行き場のなかった孝仁への想いが、ここにきて爆発してしまったらしい。つい喚くような言い方をしてしまった。

 さすがに、孝仁も予想外だったのか、少し驚いたような表情をしている。
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