鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「すまない。言い方が悪かった。感情が動くことを責めたわけではない。変に内に溜め込むなと言いたかったんだ。言いたいことがあるなら、ちゃんと口にしろ。仕事においてもそうだが、意見をぶつけることを恐れるのはやめなさい」
「それは――」
孝仁相手だからそうなるのだと言いかけて、はたと気づく。とりわけ孝仁には自分の意見を言えていないと。
デートも梢から誘えば済む話だったのに、無意識に避けていた。
(そうか……私、部長に本音をぶつけるのが怖かったんだ)
孝仁に隙のある発言をすれば、必ず正論で打ち負かされる。それが怖い。孝仁に叱られるのが怖いのではない。己の未熟さを思い知らされることが怖い。
恋人としての関係はまだ浅いから余計に恐れてしまっていたのだろう。下手なことを言って、失望されたくないと。だから、孝仁の顔色を窺って、勝手に自分の中で不満をくすぶらせていた。
「部長の言う通りですね……今の今までまったく自覚してなかったんですけど、たぶん無意識に恐れてました。それなのに、勝手に不満を募らせて、すみません」
「いや、不満に思うこと自体は別に構わない。仕事に支障をきたさないなら、なにを思おうと個人の自由だ。まあ、その結果、一人で苦しんでいたら世話がないがな」
「……ごもっともです」
言い返す余地もないと項垂れれば、頭上から優しい声が降ってくる。
「それは――」
孝仁相手だからそうなるのだと言いかけて、はたと気づく。とりわけ孝仁には自分の意見を言えていないと。
デートも梢から誘えば済む話だったのに、無意識に避けていた。
(そうか……私、部長に本音をぶつけるのが怖かったんだ)
孝仁に隙のある発言をすれば、必ず正論で打ち負かされる。それが怖い。孝仁に叱られるのが怖いのではない。己の未熟さを思い知らされることが怖い。
恋人としての関係はまだ浅いから余計に恐れてしまっていたのだろう。下手なことを言って、失望されたくないと。だから、孝仁の顔色を窺って、勝手に自分の中で不満をくすぶらせていた。
「部長の言う通りですね……今の今までまったく自覚してなかったんですけど、たぶん無意識に恐れてました。それなのに、勝手に不満を募らせて、すみません」
「いや、不満に思うこと自体は別に構わない。仕事に支障をきたさないなら、なにを思おうと個人の自由だ。まあ、その結果、一人で苦しんでいたら世話がないがな」
「……ごもっともです」
言い返す余地もないと項垂れれば、頭上から優しい声が降ってくる。