鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「……部長の優しさはわかりにくすぎるんですよ。言ってくれればいいのに。会社で顔を合わせてもいつも通りだから、これ以上は踏み込んだらダメなのかと……」
「会社でいつも通りなのは当然だ。周囲に悟られるわけにはいかないだろ。社内恋愛禁止でないとはいえ、今の関係性で交際を公にするのは難しい。ありもしない憶測が生じかねないからな」
「憶測……?」
「同じ部署で、それも直接の指導担当だ。恋人であることを利用して、都合のいい評価をもらっていると思われるかもしれないだろ。君の努力が正当に評価されなくなる可能性がある」
明かされた孝仁の考えに、少しの申し訳なさと、どうしようもない喜びを覚える。
孝仁に自分の努力を認めてもらえていたのだ。嬉しくないはずがない。
「だから、そういう気遣いがわかりにくいんですってば……でも、ありがとうございます。というより、そこに思い至らなくてすみません。私も、部長が贔屓していると思われるのは嫌です」
「ほう、意見が一致したな。ならば、このまま甘やかさずにいこう。恋人になったとはいえ、仕事において手加減をするつもりは一切ないからな。しっかりとついてこい」
「望むところです!」
信頼できる孝仁になら、どこまでもついていく。そんな気持ちを込めて力強く答えれば、嬉しそうな微笑みが返ってきた。
孝仁の真意を知ったからか、はたまたデートという状況だからか、二人の空気は恋人のそれに近い。鬼上司を前にしたときの緊張感は今はなく、梢はいつもよりも少しだけ饒舌になって、初めてのデートを楽しんだ。
「会社でいつも通りなのは当然だ。周囲に悟られるわけにはいかないだろ。社内恋愛禁止でないとはいえ、今の関係性で交際を公にするのは難しい。ありもしない憶測が生じかねないからな」
「憶測……?」
「同じ部署で、それも直接の指導担当だ。恋人であることを利用して、都合のいい評価をもらっていると思われるかもしれないだろ。君の努力が正当に評価されなくなる可能性がある」
明かされた孝仁の考えに、少しの申し訳なさと、どうしようもない喜びを覚える。
孝仁に自分の努力を認めてもらえていたのだ。嬉しくないはずがない。
「だから、そういう気遣いがわかりにくいんですってば……でも、ありがとうございます。というより、そこに思い至らなくてすみません。私も、部長が贔屓していると思われるのは嫌です」
「ほう、意見が一致したな。ならば、このまま甘やかさずにいこう。恋人になったとはいえ、仕事において手加減をするつもりは一切ないからな。しっかりとついてこい」
「望むところです!」
信頼できる孝仁になら、どこまでもついていく。そんな気持ちを込めて力強く答えれば、嬉しそうな微笑みが返ってきた。
孝仁の真意を知ったからか、はたまたデートという状況だからか、二人の空気は恋人のそれに近い。鬼上司を前にしたときの緊張感は今はなく、梢はいつもよりも少しだけ饒舌になって、初めてのデートを楽しんだ。