鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「あなた、宮沢さんに指導してもらってるんでしょ?」
「はい、そうですね」
「この前、宮沢さんからあなたの企画書を渡されたの。企画部と共同で進めてほしいって。あなた、宮沢さんに随分とよくしてもらってるみたいね」

 梢を知っている理由がわかって安堵するも、少し棘があるように感じられる言い方に、緊張を覚える。

「そう、ですね……部長にはとてもお世話になっています。企画のことはもちろん、マーケティング部での仕事もいろいろと教えていただいていて」
「そう」

 彩芽の探るような視線が怖い。この人も孝仁と同様に整った顔立ちをしているから、真顔で見つめられると威圧感があって萎縮してしまう。

「ねえ、あなたは宮沢さんのこと、どう思っているの?」
「えっ……と、部長は厳しい方ですが、とても信頼できる上司だと思っています」
「それだけ?」
「……」

 梢と孝仁の仲を知っているかのような問いに、冷や汗が滲み出す。

 彩芽が二人の関係を知っているはずないと思うものの、もしかしたらどこかで知られたのではないかと不安になる。

 果たして彩芽はすべて知った上で問いかけているのか、それとも単純に上司に対する印象を訊いただけなのか、どちらが正解かとぐるぐる考える。

 そうして梢がなにも答えられずにいると、痺れを切らしたのか、彩芽の方が話し始めた。
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