鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
『今週の土曜だが、予定はあるか?』

 まだ半分ぼーっとしていた思考が一気に覚醒する。いつもの食事の誘いとは異なる訊き方。とてもシンプルな問いだが、シンプルがゆえに想像を掻き立てられる。

「土曜の予定って……もしやデートのお誘い!?」

 期待で胸が膨らむ。

(えっ、どうしよう! これは一日中ってこと? どこに行くんだろう? 服はなに着たら……って、ストップ、ストップ。早とちりはよくない。まだコンテスト終わってないんだから、いつも通りただの食事かもしれないし)

 梢は逸る気持ちを抑えつつ、返信のメッセージを考える。デートなのかと確かめたくはあるが、違ったときがとても気まずい。何度かメッセージを書いては消してを繰り返し、結局はとてもシンプルな内容にとどめる。

『特に予定はありません。どうかされましたか?』

 デートだとは思っていない感じを出しながらも、最後の問いに少しだけ期待が表れている。

 果たして返ってくる答えはデートか否か。梢はドキドキと鼓動を少し速めながら、スマホの画面をじっと見つめ続ける。

 孝仁からの返信は一分もしないで送られてきた。
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