鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
 よく晴れた休日の午後。自宅近くまで車で迎えに来てくれた孝仁に、照れ笑いを浮かべながら小さく会釈をする。

「部長、今日はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく」

 孝仁はそう言いながら、梢のことをじっと眺めている。

「かわいいな。そのワンピース、君によく似合っている。デートだと意識してきたのか?」
「え、いや、その……」

 恥ずかしくて素直に肯定できない。でも、彼の言う通り完全にデートを意識した服装だ。

 普段会社ではパンツスタイルばかりで、スカートをはくことは滅多にない。それなのに、今日はニットワンピースを着て、それに合わせたブーツを履いている。

 デートだとはひと言も言われていないのに、一人で浮かれて恥ずかしい。

「そんな顔しなくても間違っていない。調査を兼ねてはいるが、今日はデートのつもりで誘った」

 軽く目を見開く。まさか孝仁もデートだと意識してくれているとは。嬉しくて、勝手に口元が緩んでいく。

「……私も、実質デートかなと思ってました」

 梢はまた照れ笑いを浮かべながら、孝仁に目線を向ける。

 今日の孝仁のコーデは白っぽいベージュのセーターに、ダークグレーのパンツ。明らかにいつものスーツ姿とは異なる服装だ。

「部長も、そのセーターよくお似合いです。オフって感じがしますね」

 私服姿も素敵だと褒めたつもりが、孝仁はなんとも渋い表情をしている。
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