鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「へ?」
「悪いが女性用の服はない。それで我慢しろ。パジャマ変わりだ」

 どうやら孝仁がこのトレーナーを着せてくれたらしい。おそらく孝仁のものだろう。

 今から事に及ぶのではないとわかって安堵する。

「あ、あー、なんだそういう……いやいや、待ってください。まだ泊まるとはひと言も」
「この時間に外を歩かせるわけにはいかない。大人しく泊まりなさい」
「でも……」

 ただ泊まるだけだとしても、今の梢にはハードルが高い。恋愛は随分とご無沙汰だったから、完全に免疫が落ちている。

 どうか察してほしいと懇願するように孝仁に視線を向ける。

「俺と寝るのは嫌か?」
「嫌というわけではないですけど……」

 ずるい質問だ。絶対にわかって訊いている。

「ならば、泊まりなさい。まだ帰ると言うなら、いっそのことここから抜け出せないよう、足腰立たなくさせてやろうか」

 孝仁の指が梢の頬を滑る。その指で顎をグッと上へ持ち上げられた。息がかかるほど近い距離に孝仁の顔が迫っている。またその行為を意識させられ、頷く以外の選択肢がなくなる。
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