鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
自席に戻り、「よしっ」と軽く気合を入れてからPCに向かう。今ならばどんな仕事もサクサクこなせそうだ。
そう思ったのに、「牧野さん」とこそっと声をかけてくる永山に邪魔されてしまった。
「永山さん。なんでしょう?」
「部長、なにか言ってたか?」
なぜ永山がそんなことを訊くのかと首を傾げる。ただの振り返り面談で、永山が気にするような話題が出るはずもない。
「なにかって……別に普通の面談でしたけど」
「いやいや、面談の内容じゃなくて、ほかに気になることあるだろ」
「……ほか、ですか?」
先ほどの面談を思い返しても特に思い当たるものはなにもない。これまでの仕事ぶりについて評価してもらっただけだ。
訝しげに永山を見つめる。
「そんなとぼけなくていいって。部長と彩芽さんの関係についてだよ。牧野さんも気になるよな」
「……いえ、別に」
そう返答しながらも、思わず顔をしかめそうになる。
永山はこちらの事情を知らないからしかたないのかもしれないが、その話題は今の梢に絶対に振ってはいけないものだ。そもそも勤務中に人の恋愛事情を面白半分に話すのが間違っている。
永山のデリカシーのなさにムッとする。だが、彼はそんな梢の心中を察するはずもなく、楽しそうにニヤニヤと笑っている。
「またまたー、絶対に気になってるだろ。噂ではあの二人、結婚秒読みらしいぞ」
真実ではないとわかっていても胸が痛む。なにしろその噂は梢の耳にも届くくらい社内で広まっているのだ。
きっと孝仁と彩芽が頻繁に一緒にいるせいだろう。ここ一ヶ月くらいその状態が続いている。
もちろんこそこそと会っているわけではなく、オフィス内で仕事の話をしているだけだ。
孝仁本人からはプライベートな関わりは一切ないと聞かされている。二人の仲は疑っていないものの、自分以外の人と噂が立っている状況は恋人としては面白くない。
そう思ったのに、「牧野さん」とこそっと声をかけてくる永山に邪魔されてしまった。
「永山さん。なんでしょう?」
「部長、なにか言ってたか?」
なぜ永山がそんなことを訊くのかと首を傾げる。ただの振り返り面談で、永山が気にするような話題が出るはずもない。
「なにかって……別に普通の面談でしたけど」
「いやいや、面談の内容じゃなくて、ほかに気になることあるだろ」
「……ほか、ですか?」
先ほどの面談を思い返しても特に思い当たるものはなにもない。これまでの仕事ぶりについて評価してもらっただけだ。
訝しげに永山を見つめる。
「そんなとぼけなくていいって。部長と彩芽さんの関係についてだよ。牧野さんも気になるよな」
「……いえ、別に」
そう返答しながらも、思わず顔をしかめそうになる。
永山はこちらの事情を知らないからしかたないのかもしれないが、その話題は今の梢に絶対に振ってはいけないものだ。そもそも勤務中に人の恋愛事情を面白半分に話すのが間違っている。
永山のデリカシーのなさにムッとする。だが、彼はそんな梢の心中を察するはずもなく、楽しそうにニヤニヤと笑っている。
「またまたー、絶対に気になってるだろ。噂ではあの二人、結婚秒読みらしいぞ」
真実ではないとわかっていても胸が痛む。なにしろその噂は梢の耳にも届くくらい社内で広まっているのだ。
きっと孝仁と彩芽が頻繁に一緒にいるせいだろう。ここ一ヶ月くらいその状態が続いている。
もちろんこそこそと会っているわけではなく、オフィス内で仕事の話をしているだけだ。
孝仁本人からはプライベートな関わりは一切ないと聞かされている。二人の仲は疑っていないものの、自分以外の人と噂が立っている状況は恋人としては面白くない。