鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「今から来年度の人事異動に関する発表を行います」
残った社員たちから動揺の声が聞こえてくる。異動に関する情報は普段はデータベース上で公開されるのみで、こんなふうに直接発表されることはない。いつもとは違う状況に、皆戸惑っているようだ。
「静かに」
孝仁のひと声で静寂が戻る。しかし、動揺が消えたわけではない。場に異様な緊迫感が生まれている。
「四月より宮沢孝仁は商品本部に異動し、本部長を務めます。企画部の部長も兼任です。よろしくお願いします」
マーケティング部、商品本部双方から驚きの声が上がる。誰一人予想していなかったようだ。
(嘘……部長がいなくなる……?)
孝仁の言葉が信じられない。まさか彼がマーケティング部からいなくなるとは夢にも思っていなかった。指導関係が解消されても、同じ部署でまだまだ働けると思っていた。
それがまさかたったの一年でお別れになるとは。梢は耐え難い寂しさに襲われる。
「やっぱり予想通り部長の昇進は決まってたんだな。つまり、マーケティング部の次の部長は……」
いつの間にか近くに立っていた永山がぼそりとつぶいている。
いつだったか、永山がそれらしきことを言っていたなと思い出す。
『社長のあの感じ、絶対に昇進の話だと思うんだよな。俺は宮沢部長がさらに出世するものと見た』
あのときは適当なことを言っているだけだと思っていたが、永山は鋭く感じ取っていたのかもしれない。
自然と彩芽との噂話についても思い起こされるが、梢はさすがにそれはないと己に言い聞かせた。
残った社員たちから動揺の声が聞こえてくる。異動に関する情報は普段はデータベース上で公開されるのみで、こんなふうに直接発表されることはない。いつもとは違う状況に、皆戸惑っているようだ。
「静かに」
孝仁のひと声で静寂が戻る。しかし、動揺が消えたわけではない。場に異様な緊迫感が生まれている。
「四月より宮沢孝仁は商品本部に異動し、本部長を務めます。企画部の部長も兼任です。よろしくお願いします」
マーケティング部、商品本部双方から驚きの声が上がる。誰一人予想していなかったようだ。
(嘘……部長がいなくなる……?)
孝仁の言葉が信じられない。まさか彼がマーケティング部からいなくなるとは夢にも思っていなかった。指導関係が解消されても、同じ部署でまだまだ働けると思っていた。
それがまさかたったの一年でお別れになるとは。梢は耐え難い寂しさに襲われる。
「やっぱり予想通り部長の昇進は決まってたんだな。つまり、マーケティング部の次の部長は……」
いつの間にか近くに立っていた永山がぼそりとつぶいている。
いつだったか、永山がそれらしきことを言っていたなと思い出す。
『社長のあの感じ、絶対に昇進の話だと思うんだよな。俺は宮沢部長がさらに出世するものと見た』
あのときは適当なことを言っているだけだと思っていたが、永山は鋭く感じ取っていたのかもしれない。
自然と彩芽との噂話についても思い起こされるが、梢はさすがにそれはないと己に言い聞かせた。