鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「今言われた通り、私はここにいる牧野と交際しています。彩芽さんから結婚の申し込みがあったことは事実ですが、そちらはお断りしています。これ以上変な噂を流さないように」
孝仁がぴしゃりと言い放つとその場に緊張が走る。噂に踊らされていたと思われる人々が気まずそうに視線を下げている。
一方の梢はようやく安堵する。孝仁が皆の前ではっきりと交際宣言してくれたのだ。それが嬉しくてしかたない。
「それから、私と牧野が同じ部署だからと勝手な憶測もしないように。彼女を贔屓したことはただの一度もない。マーケティング部の者はわかっているな?」
孝仁は有無を言わせぬ雰囲気で、マーケティング部のメンバーに目線を向ける。彼の視線がよほど鋭かったのだろう。ほとんどの人が恐れを抱いたようにこくこくと繰り返し頷いている。その中で一人だけ陽気に手を上げている者がいた。
この状況でそれができるのは永山だけだ。彼はひらひらと手まで振っている。
「俺はわかってますよ、部長。なんたって、牧野さんは毎日部長にしごかれてましたから。半べそかくくらいに」
「なっ!?」
ちゃんと見てくれていたのは嬉しいが、半べそは余計だ。この男は本当にデリカシーがない。
篠田も同じように思ったのだろう。永山の頭を小突いている。
だが、永山のおかげで空気が少し和らいだ。ほかの人からも声が上がる。
「そうだ、そうだ! 恋人ならもっと優しくしてやれー」
そんなことを言って大丈夫だろうか。後で孝仁に叱られないといいが。
梢が心配の眼差しを仲間たちに向けていると、彩芽が梢のすぐ真横へとやって来た。
孝仁がぴしゃりと言い放つとその場に緊張が走る。噂に踊らされていたと思われる人々が気まずそうに視線を下げている。
一方の梢はようやく安堵する。孝仁が皆の前ではっきりと交際宣言してくれたのだ。それが嬉しくてしかたない。
「それから、私と牧野が同じ部署だからと勝手な憶測もしないように。彼女を贔屓したことはただの一度もない。マーケティング部の者はわかっているな?」
孝仁は有無を言わせぬ雰囲気で、マーケティング部のメンバーに目線を向ける。彼の視線がよほど鋭かったのだろう。ほとんどの人が恐れを抱いたようにこくこくと繰り返し頷いている。その中で一人だけ陽気に手を上げている者がいた。
この状況でそれができるのは永山だけだ。彼はひらひらと手まで振っている。
「俺はわかってますよ、部長。なんたって、牧野さんは毎日部長にしごかれてましたから。半べそかくくらいに」
「なっ!?」
ちゃんと見てくれていたのは嬉しいが、半べそは余計だ。この男は本当にデリカシーがない。
篠田も同じように思ったのだろう。永山の頭を小突いている。
だが、永山のおかげで空気が少し和らいだ。ほかの人からも声が上がる。
「そうだ、そうだ! 恋人ならもっと優しくしてやれー」
そんなことを言って大丈夫だろうか。後で孝仁に叱られないといいが。
梢が心配の眼差しを仲間たちに向けていると、彩芽が梢のすぐ真横へとやって来た。