鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「そんなに顔を赤らめて、いったいなにを想像したんだ?」
「な、なにも想像してませんっ」
「言っておくが、バニーガールの衣装に興味はない。うさぎのようにかわいらしい女性という意味だ。まあ梢が着てくれるというなら、やぶさかではないが」
「なっ……スケベ」

 その言葉で精一杯の否定をする。普段そういうことを言いそうにない孝仁から求められるとどうにも恥ずかしい。

「俺も普通の男だ。好きな女の魅惑的な姿に惹かれるのは当然だろ」
「……た、孝仁さん? なんだか雰囲気が」

 孝仁の表情に艶が含まれている。この先を匂わせる空気に動揺を隠せない。

「梢も今日はそのつもりで準備してきたんだろう?」
「そ、それは……訊かないでくださいよ」

 これでは肯定しているのと同じだ。だが、彼の言う通り、その想定もしてここに来たから否定はできない。

 孝仁はそれをわかっているのだろう。艶っぽい空気を決して崩さない。

「そろそろ風呂が沸く。先に入ってきなさい」

 小さく何度も頷き、すぐに風呂場へと移動する。積極的な気持ちでそうしたのではない。あのまま孝仁のそばにいると、すぐにでも食べられてしまいそうで逃げてきたのだ。

 しかし、風呂に一人で浸かっていても高まるばかりの緊張。寝室に移動する頃には、口から心臓が飛び出そうなほど鼓動を速めていた。

 後からシャワーだけを浴びたらしい孝仁がすぐに寝室にやって来た。彼は梢を優しく押し倒す。

「梢、愛している。今日まで控えていた分、全力で愛を注ぐ。しっかり受け止めてくれ」

 その宣言通り、猛烈な愛を注がれる。極上の触れ合いで、孝仁の想いをこれでもかと思い知らされた。

 梢にとってはあまりに恥ずかしい行為で、涙が浮かびそうなほどだったが、これまでの経験では知り得なかった最上級のエクスタシーを味わう。それは喜びと羞恥を同時に抱く不思議な感覚だった。

 そして、彼の腕に包まれ、まどろむ心地よい時間。

 二人で過ごす二度目の夜は、梢に幸せをもたらしながら更けていった。
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