鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「おはよう!」
永山が朝にふさわしく爽やかに挨拶をしている。この男には悩みなどこれっぽっちもなさそうだ。こちらは心臓が止まりそうなほど驚いたというのに、自分とは対照的な永山を見たら、ガクッと体の力が抜けてしまった。
「なんだ、永山さんか……おはようございます」
おおよそ先輩社員に対して取るべき態度ではないが、この人にはこれで十分だと思ってしまう。永山はいつも調子がよくて、厄介事ばかり持ち込んでくるのだ。残念ながら、そんな人間に対して払うべき敬意は持ち合わせていない。
大体、今は永山に構っている暇などない。梢にとっては生死を分けるほどの重大な局面。どうか煩わせないでほしい。
そんな思考に至るも、すぐにこうなった原因がこの男であることを思い出した。
「って、永山さん! ひどいじゃないですか!」
「え、俺なにかしたっけ?」
「ちょっ、覚えてないんですか!? 飲み会の後のことですよ! いきなり部長のこと押しつけたじゃないですか!」
「あー、そのことか。いやー、ごめん、ごめん! 二次会の仕切りがあったからしかたなかったんだよ。部長が酔うなんて予想外だったし」
「私だって予想外ですよ!」
突然押しつけられた梢の方が予想外だ。ろくに状況も把握できないまま部長を託されたのだから。部長と二人きりで残されて、どれほど困ったか。
しかし、こちらが大変だったことなど、この人にはまったく伝わっていないようだ。永山は呑気に相槌を打っている。
永山が朝にふさわしく爽やかに挨拶をしている。この男には悩みなどこれっぽっちもなさそうだ。こちらは心臓が止まりそうなほど驚いたというのに、自分とは対照的な永山を見たら、ガクッと体の力が抜けてしまった。
「なんだ、永山さんか……おはようございます」
おおよそ先輩社員に対して取るべき態度ではないが、この人にはこれで十分だと思ってしまう。永山はいつも調子がよくて、厄介事ばかり持ち込んでくるのだ。残念ながら、そんな人間に対して払うべき敬意は持ち合わせていない。
大体、今は永山に構っている暇などない。梢にとっては生死を分けるほどの重大な局面。どうか煩わせないでほしい。
そんな思考に至るも、すぐにこうなった原因がこの男であることを思い出した。
「って、永山さん! ひどいじゃないですか!」
「え、俺なにかしたっけ?」
「ちょっ、覚えてないんですか!? 飲み会の後のことですよ! いきなり部長のこと押しつけたじゃないですか!」
「あー、そのことか。いやー、ごめん、ごめん! 二次会の仕切りがあったからしかたなかったんだよ。部長が酔うなんて予想外だったし」
「私だって予想外ですよ!」
突然押しつけられた梢の方が予想外だ。ろくに状況も把握できないまま部長を託されたのだから。部長と二人きりで残されて、どれほど困ったか。
しかし、こちらが大変だったことなど、この人にはまったく伝わっていないようだ。永山は呑気に相槌を打っている。