鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
 それから二時間ほどが経過しただろうか。

 梢はどうにか思いついた一つの商品について軽くメモを残すと、集中して強張ってしまった体を解すようにグッと伸びをした。

「んっ、ふぅー」
「牧野さん。今、いいかな?」

 伸びをした格好のまま視線を上げると、同僚の男性社員がすぐそばに立っていた。完全に気を抜いていたところに声をかけられ、裏返った声が漏れ出る。

「あいっ」
「……ふっ」

 笑われてしまった。どうにか堪えようとしてくれていたようだが、我慢できなかったようだ。

「すみません……」
「いや、突然ごめん。この間打った広告の効果を確認したいんだけど、もうデータってまとまってる?」

 永山ならしつこくからかってきそうなところだが、良識ある社会人はすぐに本題に戻ってくれる。

 おかげで梢も仕事モードに切り替えられた。
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