鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「察しが悪いな」

 なぜか孝仁の方が苛立ちをあらわにしている。

 今のやり取りでなにを察しろというのか。いくらなんでも理不尽だ。

(すみませんね、察しが悪くて!)

 直接言ってやりたいが、鬼にそんな強気なことを言えるはずがない。言ったところで、またバカにされて終わるだけだ。

 梢は引き攣った笑みを浮かべながら、口先だけで謝罪する。

「すみません」
「牧野、もっと自分自身を理解しろ。私は、牧野なら問題なく十本の企画を考えられると思っている」
「え……?」

 急に話の方向が変わってきた。てっきり課題に行き詰っていることを非難されているとばかり思っていたが、今の発言だとまるで期待されているようではないか。

 こうも話の流れが変わってしまうと、どう受け止めていいのかわからない。
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