鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「と、とにかくでたらめな噂はやめてください。部長はパワハラをする人じゃありません。めちゃくちゃ厳しいだけです……!」
「……」

 しーんと静まり返る。

 目の前の二人は戸惑っているようだ。

(しまった。最後のは余計なひと言だった……)

 これではパワハラの言い方を変えただけだと思われてしまう。パワハラとは違うのだと言いたかったのに、その言語化に失敗してしまった。

 このままではまずいと必死に言葉を捻り出す。

「あー、だから、つまりですね、マーケティング部の人は誰も傀儡ではないということです。権力でねじ伏せられてはいません。部長が正論を振りかざすから、従うしかないんです」
「……」

 またもや静寂に包まれる。彼らの困惑も一層深まっているようだ。

(あ、あれ? これもフォローになってない? ああ、もう落ち着け!)

 勢いに任せて言うから、余計なことを言ってしまうのだ。梢は一度深呼吸をして、心を落ち着ける。
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