鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「別に不満を持つのは構わない。だが、不満があるのなら口にしなさい。私の言う正論がすべてではないんだ。正解は一つとは限らないからな」
「え?」

 てっきり責められるとばかり思っていたのに、それとはまったく違う言葉が返ってきた。

 頭を上げて視線を合わせてみても、梢を非難する空気は少しも感じない。むしろ、どこか楽しそうな空気が伝わってくる。

「意見を出し合ってこそ人も会社も成長する、と私は思っている。なにを遠慮しているのか知らないが、それではいつまで経っても成長できないぞ。永山を見習え。あれはやかましいほどに、自分の意見を主張してくる。まあ、その大半はろくな意見ではないがな」

 永山を見習えと言いながらも、永山をけなしている。

(永山さんよ……本当、あの人らしいな。でも、見習えってことはつまり――)

 意外だという思いが拭えないが、孝仁は意見を受けつけると言っているようだ。たとえそれが不満であっても。
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