鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「なでなでの催促だな。よしよし。心配しなくても、好きなだけ撫でてやる」

 なでなでが再開されると、スイはまた先ほどと同じ体勢になっていく。

「ふふ、目を細めてうっとりしてる」
「ほかのうさぎがどうかは知らないが、スイは撫でられるのが好きなんだ」

 本当になでなでが好きなのだろう。スイはその場から少しも動かない。

「気持ちよさそう。いいなー」
「それなら牧野も撫でてみるか?」
「へ?」
「今、いいなと言っただろう」

 何気なく口にした言葉だったが、孝仁の解釈は梢の真意とは異なる。

「ああ、違います、違います。確かに撫でてみたいですけど、いいなって言ったのは、部長に撫でられるのが気持ちよさそうでいいなって意味です」
「……」

 孝仁はスイを撫でる手を止め、珍しく驚いた表情を浮かべている。

「……え?」

 ワンテンポ遅れてから、梢は己の発言を理解した。

(っ! ちょっ、私、今なんて言った!?)

 スイがあまりにも気持ちよさそうにしていたから、つい羨んでしまった。ただのマッサージ感覚で。
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