至上最幸の恋
口ずさんでいたのは、聞き覚えのない旋律だった。彼女の好きなショパンだろうか。
「いまのは、なんて曲だ?」
「即興ですわ。クロウタドリと一緒に歌いたくなったので」
「すげぇな。即興で歌えるのか」
「自然界の音に、ほんの少しメロディを重ねているだけです。鳥のさえずりも風の音も木々ざわめきも、すべてが音楽ですから」
エリサはそう笑って、紅茶をひと口飲んだ。
もしかすると彼女は、絶対音感の持ち主なのだろうか。音楽に疎いオレからすると、少し羨ましい。
「いい歌だったよ」
素直な感想を口にすると、エリサが目を見開いて顔を近づけてきた。
「本当ですか?」
「あ、あぁ」
いちいち距離が近い。無意識なのだろうか。そのうち予期せぬ事故が起きそうだ。
「瑛士さんにお褒めいただけるなんて……とっても嬉しいです!」
「音楽に疎いオレの賛辞なんて、そんなに価値があるもんじゃねぇだろ」
「いいえ。大好きな人の賛辞は、なによりも嬉しいものですわ」
大好きな人、か。ここまで真っすぐな好意を向けられたことがないので、思わずたじろいでしまう。
いや、違うな。これまでは、オレ自身が他人の気持ちから目を逸らしていた。人との関わりを避けて、孤独になろうとしていたんだ。
「いまのは、なんて曲だ?」
「即興ですわ。クロウタドリと一緒に歌いたくなったので」
「すげぇな。即興で歌えるのか」
「自然界の音に、ほんの少しメロディを重ねているだけです。鳥のさえずりも風の音も木々ざわめきも、すべてが音楽ですから」
エリサはそう笑って、紅茶をひと口飲んだ。
もしかすると彼女は、絶対音感の持ち主なのだろうか。音楽に疎いオレからすると、少し羨ましい。
「いい歌だったよ」
素直な感想を口にすると、エリサが目を見開いて顔を近づけてきた。
「本当ですか?」
「あ、あぁ」
いちいち距離が近い。無意識なのだろうか。そのうち予期せぬ事故が起きそうだ。
「瑛士さんにお褒めいただけるなんて……とっても嬉しいです!」
「音楽に疎いオレの賛辞なんて、そんなに価値があるもんじゃねぇだろ」
「いいえ。大好きな人の賛辞は、なによりも嬉しいものですわ」
大好きな人、か。ここまで真っすぐな好意を向けられたことがないので、思わずたじろいでしまう。
いや、違うな。これまでは、オレ自身が他人の気持ちから目を逸らしていた。人との関わりを避けて、孤独になろうとしていたんだ。