【番外編更新】虐げられた私の身代わり婚約、そして見つけた幸せ
『ねえ、赤い花が欲しいわ』
伯爵との対面後……数日。
マルセナとリーナが仕事で席を外している間、入ってきたメイドに私は筆談で伝えた。彼女は伯爵家の手の者であると事前に伯爵から伝えられているメイド。
ここ数日は、誰が伯爵家の手の者なのかを確認したのだけれど……彼女も含めて三名はいるようだ。
ちなみに赤い花は合言葉である。
赤い花を私が欲しがる時は、暗に伯爵家へと手紙を届けて欲しいという意味なのだ。この意図を知らない者は首を傾げながらも、花瓶に生けてくれる。
赤い花の意味を知っている者は、私の近くへと来て手紙を受け取るのだ。
誰が伯爵の手の者なのか分からない時は、一日中緊張で張り詰めていた。決意したとはいえ、気を緩めることができないのは大変だ。
幸い、私のところに来るメイドや執事は決まっているので、数日で結果が出たのはありがたい。
私は窓のそばで風を感じつつ、いつものように本をめくっていた。
そんな時、生けてくれた花が目に入る。
まるでドレスのフリルのような花びらに、赤ワインのように濃い赤色……花を生けてくれたメイドはスイートピーと言っていたような。
窓の側に置かれた花瓶は、風に乗って時折ほのかな香りが鼻をくすぐる。
――それが私の心を癒してくれた。
伯爵との対面後……数日。
マルセナとリーナが仕事で席を外している間、入ってきたメイドに私は筆談で伝えた。彼女は伯爵家の手の者であると事前に伯爵から伝えられているメイド。
ここ数日は、誰が伯爵家の手の者なのかを確認したのだけれど……彼女も含めて三名はいるようだ。
ちなみに赤い花は合言葉である。
赤い花を私が欲しがる時は、暗に伯爵家へと手紙を届けて欲しいという意味なのだ。この意図を知らない者は首を傾げながらも、花瓶に生けてくれる。
赤い花の意味を知っている者は、私の近くへと来て手紙を受け取るのだ。
誰が伯爵の手の者なのか分からない時は、一日中緊張で張り詰めていた。決意したとはいえ、気を緩めることができないのは大変だ。
幸い、私のところに来るメイドや執事は決まっているので、数日で結果が出たのはありがたい。
私は窓のそばで風を感じつつ、いつものように本をめくっていた。
そんな時、生けてくれた花が目に入る。
まるでドレスのフリルのような花びらに、赤ワインのように濃い赤色……花を生けてくれたメイドはスイートピーと言っていたような。
窓の側に置かれた花瓶は、風に乗って時折ほのかな香りが鼻をくすぐる。
――それが私の心を癒してくれた。