この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
先程までのキリッとした表情から一転、疲れた表情を覗かせながらチェアに背中を預けている。
「さて、まずは君が求めているものから答えていきましょうか」
「社長はなぜ、会見を開かれたんですか?」
「どうしてもそこが気になるんですね。でも、まずは座って。ここから先は、落ち着いて話をしましょう。せかせかとした言葉の投げ合いは、どうも苦手みたいでね」
私にも中央に置かれたソファに座るよう促し、その姿を確認してから話が再開される。
「君は会見で、彼女たちの尊厳は守られなくても良かったのか?と聞きましたよね。僕にも後ろめたさがあったんだろうね。あの質問にはハッとさせられたよ」
どうやら彼は罪悪感を感じているようだ。まさか本当に彼女たちと深い関係にあったのだろうか?
「でも、社長がお相手の女性たちと親密な関係にあったとは、どうしても思えないんです」
私が世の報道を信じていないのがそんなに意外だったのだろうか。彼は壁にかけられた写真を指差しながら、前のめりになって話し始める。
「あの写真にうつっているのが、誰か分かりますか?」
「社長のお父様、ですよね?」
「そう。この会社の前社長であり、僕の…父でもある人です。東条グループは、彼がここまで大きくした会社だ。ここにいる人間は誰一人、彼に逆らうことを許されなかった。息子である、僕さえも」
写真を見つめる眼差しには何か強い気概がこもっていて、どこか父・太郎と重なる部分がある。
「でも、今はもう違う。東条グループのトップは、この僕だ。僕はこの会社のためにやりたいことが、まだまだ沢山ある。ただでさえ、若造が。とか、二世が。とか、父と比べたがる人が多くて身動きが取りずらいのに、ましてやありもしない女性との問題をその足かせにはしたくないんだよ」
写真にうつるこの人となら、きっと対峙すらできなかっただろう。
一方、目の前にいる彼は人当たりが良く、社長室にもすんなりと入れてくれる懐の広さ、悪く言えば脇の甘さがある。
父を彷彿とさせる、その目つきを見るまでは、そう思っていた。私は宗高を甘く見過ぎていたのかもしれない、と彼に対する警戒心が途端に強まる。
「随分と野心家なんですね」
普段なら絶対にしないであろう目つきに自分でも気付いたのか、彼の表情はすぐさま元に戻る。
「野心家か。褒め言葉として受け取らせてもらうよ。それで、だ。今日、僕の後ろにいた男を見たでしょう?彼と色々と手立てを練っている中で、父からずっと反対されていた会見をやってみようという風になったわけです」
おおかた事情は理解できたが、彼の目はなぜかこちらを不思議そうに見つめている。
「でも君は、他の記者のように彼女たちと付き合っていた、とは疑わないんですね」
「さて、まずは君が求めているものから答えていきましょうか」
「社長はなぜ、会見を開かれたんですか?」
「どうしてもそこが気になるんですね。でも、まずは座って。ここから先は、落ち着いて話をしましょう。せかせかとした言葉の投げ合いは、どうも苦手みたいでね」
私にも中央に置かれたソファに座るよう促し、その姿を確認してから話が再開される。
「君は会見で、彼女たちの尊厳は守られなくても良かったのか?と聞きましたよね。僕にも後ろめたさがあったんだろうね。あの質問にはハッとさせられたよ」
どうやら彼は罪悪感を感じているようだ。まさか本当に彼女たちと深い関係にあったのだろうか?
「でも、社長がお相手の女性たちと親密な関係にあったとは、どうしても思えないんです」
私が世の報道を信じていないのがそんなに意外だったのだろうか。彼は壁にかけられた写真を指差しながら、前のめりになって話し始める。
「あの写真にうつっているのが、誰か分かりますか?」
「社長のお父様、ですよね?」
「そう。この会社の前社長であり、僕の…父でもある人です。東条グループは、彼がここまで大きくした会社だ。ここにいる人間は誰一人、彼に逆らうことを許されなかった。息子である、僕さえも」
写真を見つめる眼差しには何か強い気概がこもっていて、どこか父・太郎と重なる部分がある。
「でも、今はもう違う。東条グループのトップは、この僕だ。僕はこの会社のためにやりたいことが、まだまだ沢山ある。ただでさえ、若造が。とか、二世が。とか、父と比べたがる人が多くて身動きが取りずらいのに、ましてやありもしない女性との問題をその足かせにはしたくないんだよ」
写真にうつるこの人となら、きっと対峙すらできなかっただろう。
一方、目の前にいる彼は人当たりが良く、社長室にもすんなりと入れてくれる懐の広さ、悪く言えば脇の甘さがある。
父を彷彿とさせる、その目つきを見るまでは、そう思っていた。私は宗高を甘く見過ぎていたのかもしれない、と彼に対する警戒心が途端に強まる。
「随分と野心家なんですね」
普段なら絶対にしないであろう目つきに自分でも気付いたのか、彼の表情はすぐさま元に戻る。
「野心家か。褒め言葉として受け取らせてもらうよ。それで、だ。今日、僕の後ろにいた男を見たでしょう?彼と色々と手立てを練っている中で、父からずっと反対されていた会見をやってみようという風になったわけです」
おおかた事情は理解できたが、彼の目はなぜかこちらを不思議そうに見つめている。
「でも君は、他の記者のように彼女たちと付き合っていた、とは疑わないんですね」