この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
変わりたい〜side宗高〜
僕の思考にはいつも父の言葉、父の考えが占領していた。結果、どうなったか。

「何を、している…?」

彼女は男の性欲の捌け口にされ、僕は彼女を守れなかった。その光景を目にしたとき、僕の中の煮え切らない何かが、ぷつりと音を立てて壊れた。

彼女は犠牲になって、僕を守ってくれた。それは変えようのない事実なのに、それ以上の信じるものがどこにあるのか、と。

スヤスヤと隣で眠るかけがえのない宝物を、もう絶対に見失いたくないと思った。変わりたいと思った。

今が、ずっと逃れられなかった父への恐怖をすべて手放すときなんだろう。でも、彼は絶対にそれを許さない。誰が僕を変えたかと分かれば、その人を徹底的に奈落の底まで突き落とす。二十年前のあのときみたいに。

今度は、絶対に誰も苦しめずに、僕が一人で父に罪を償わせる。せめて1ヶ月、1ヶ月だけでも彼女には目の届くところにいて欲しかった。

もう恐れとか、支配とか、そんなものを言い訳にはしたくない。彼女に何のしがらみもなく、この気持ちをぶつけたい。この気持ちはもう止められるものではないから。
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