恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「……アルフレッド?」
「リリー……あの男を、理解などしないでくれ。私から、離れないでくれ」

 消え入りそうな声に耳を傾け、その頬を濡らした涙に手を添えた。
 アルフレッドから離れるなんてあるわけがないのに、なにをいっているんだろう。それに、私がフェリクスを理解してるって、どうしたらそう聞き間違えられるのかしら。
 自分の発言を思い返しても、わからない。だけど、これってもしかして……

「……妬いているの?」

 そっと尋ねれば、アルフレッドの視線が無言のままそらされた。

「どうして? どこに妬く要素があったの? 私は、アルフレッドから離れないっていってるじゃない」

 アルフレッドの腕から少し力が抜けた。しばらく返事を待っていると、

「……きっと、過ちに気付いてやり直そうとしている、そうおっしゃりました」
「それはいったけど」

 全く理解ができない。いつも冷静なアルフレッドなのに、どういうことか。

「他の男のことを考えて欲しくない……フェリクスも男なんです」
「……?」
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