恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 楽しそうに笑うアルフレッドは、私の髪にキスをすると起き上がった。
 それから彼が自室へと入っていくと、寝室と廊下を繋ぐドアがノックされた。

「リリーステラ様、おはようございます」
「皆さん、おはよう。今日も天気が良さそうですね」

 ブランケットを捲って起き上がり、招かれるまま、衣装が収められているドレッシングルームへと向かう。
 ナイトドレスを脱いだ直後、メイドの一人が顔をほころばせた。もう一人は小さく「まあ」と嬉しそうに声をこぼす。なにかなと思っていると、年長のメイドが小さく咳払いをした。

「リリーステラ様。本日は胸元をお隠しください」
「胸元?」
 
 差し出されたドレスは、首の付け根までしっかりとレースで覆われたものだった。
 ふと視線を落とすと、白い肌に残った花びらのような跡が目に飛び込んだ。もしかして、これって……昨夜のことを思い出し、全身が熱くなっていく。

「ようございました」
「旦那様って、情熱的な方だったんですね」
「きっと赤子を授かるのも近いですわ」

 メイドたちの言葉に、さらに頬が熱くなる。

「ち、違うの! ま、まだその……」
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