恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 耳が熱くなっていくのを感じながら、アルフレッドがキスの痕をつけて困っていると打ち明けた。元はといえば、自分で蒔いた種だということや、キスの先まで至れていないことも。
 ヴァネッサ様とカーラは驚いたように目を見開いた。言葉もない様子だ。
 信じてもらえなかったのかと思い、そっと袖を捲った。昨夜は手首にもしっかりと痕をつけられたのだ。 

「アルフレッドが独占欲の塊だとは、知らなかったわ」
「私も存じ上げませんでした」

 二人はため息をついた後、ふっと口元を緩めて笑った。そうして、カーラは「ようございました」と呟く。

「リリーステラ、打ち明けてくれてありがとう。恥ずかしい思いをさせてしまったわね」
「……とっても恥ずかしいです。着替えを手伝ってくれるメイドたちには勢いだといわれましたが、もう、どうしたらいいのか」

 恥ずかしさに、打ち明ける声が小さくなっていった。
 そっとヴァネッサ様の様子を窺うと、その口元が嬉しそうにほころんでいる。それを見た瞬間、なんだか肩の荷が下りたような気がした。
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