恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
銀色に輝くインクが付いたそこには、鍵のような印がある。
「特別な魔法インクです。その掌を扉に押し当てれば開くことができます」
「わかったわ。長老、ありがとう」
「いいえ。お手伝いができますのはここまでにございます。どうぞ、お気をつけて」
ゆっくりと頭を下げた長老が数歩後ろに下がる。
もう一度手のひらを見つめると、アルフレッドが「参りましょう」といった。
息を呑み、手を扉の前に突き出した。すると、錆びた鉄の扉に描かれた紋様が虹色に輝き出す。そうして、ぎぎぎっと鳴った扉は、重く引きずられるようにして押し開いた。
その先に現れたのは、虹色の光。まるで、シャボン玉の膜のように輝いている。
アルフレッドがコツンと踵を鳴らして踏み出す。そうして私は、彼と一緒に虹色の光の中へと入った。
ふわりと広がったのは花と緑の香りだった。怖がらないでというように、手招いているようにも感じる。生贄に選ばれた人は、ここをどんな気持ちで進んだのだろう。
「特別な魔法インクです。その掌を扉に押し当てれば開くことができます」
「わかったわ。長老、ありがとう」
「いいえ。お手伝いができますのはここまでにございます。どうぞ、お気をつけて」
ゆっくりと頭を下げた長老が数歩後ろに下がる。
もう一度手のひらを見つめると、アルフレッドが「参りましょう」といった。
息を呑み、手を扉の前に突き出した。すると、錆びた鉄の扉に描かれた紋様が虹色に輝き出す。そうして、ぎぎぎっと鳴った扉は、重く引きずられるようにして押し開いた。
その先に現れたのは、虹色の光。まるで、シャボン玉の膜のように輝いている。
アルフレッドがコツンと踵を鳴らして踏み出す。そうして私は、彼と一緒に虹色の光の中へと入った。
ふわりと広がったのは花と緑の香りだった。怖がらないでというように、手招いているようにも感じる。生贄に選ばれた人は、ここをどんな気持ちで進んだのだろう。