恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
鳴り響く足音に胸が苦しくなったけど、アルフレッドの体温を感じることで、震えを堪えることができた。
突如、光が消えた。
出口かと思った直後、まるで土砂降りの雨のように嫌悪感が降ってきた。それは恐怖、嫉妬、絶望──ありとあらゆる負の感情が混ざったような、異質の魔力。
とっさに目を閉じると、アルフレッドが私の肩を強く抱きしめて「フェリクス」と呟いた。
どうして、今その名前が出てくるのか。
顔を巡らせると、広い部屋の奥に薄ら笑いを浮かべる男──私を裏切った元婚約者フェリクスが椅子に座っていた。その前には、床にスカートを広げるようにして座る女性がいる。膝に顔を伏せているから、顔はわからない。だけど、ダイアナではないことはすぐに分かった。だって、背中に垂らされた髪は、私によく似た赤毛だもの。
アルフレッドの腕から降り、床へ足をつける。
踵が鳴ると、フェリクスが暗い眼差しをこちらに向けた。
「……フェリクスなの? どうして、ここにいるの?」
突如、光が消えた。
出口かと思った直後、まるで土砂降りの雨のように嫌悪感が降ってきた。それは恐怖、嫉妬、絶望──ありとあらゆる負の感情が混ざったような、異質の魔力。
とっさに目を閉じると、アルフレッドが私の肩を強く抱きしめて「フェリクス」と呟いた。
どうして、今その名前が出てくるのか。
顔を巡らせると、広い部屋の奥に薄ら笑いを浮かべる男──私を裏切った元婚約者フェリクスが椅子に座っていた。その前には、床にスカートを広げるようにして座る女性がいる。膝に顔を伏せているから、顔はわからない。だけど、ダイアナではないことはすぐに分かった。だって、背中に垂らされた髪は、私によく似た赤毛だもの。
アルフレッドの腕から降り、床へ足をつける。
踵が鳴ると、フェリクスが暗い眼差しをこちらに向けた。
「……フェリクスなの? どうして、ここにいるの?」