恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「それは……」

 確かにいわれた気がする。気がするけど、毎晩のようにキスばかりされて、こんなに体中が蕩けているのに。

「……わかって、くれないの?」

 私からお願いするなんて恥ずかしすぎる。どうして欲しいかなんて、触ってキスしているアルフレッドが一番わかるでしょうに。

「わかっていますよ。でも、ちゃんとお願いしてください、リリー」
「……意地悪、なのね」

 アルフレッドの首に両腕を回して引き寄せ、近づけた顔に唇を寄せた。

「嫌いになりましたか?」
「そんなこと……んんっ……はぁっ」
「不安なんです。貴女にお願いされないと。私は、リリーステラ様の従者ですから」
「もう、従者じゃ……んっ……」

 再びいくつものキスを落とすアルフレッドは「お願いをして下さい」と繰り返す。
 息が苦しくなるほどの口づけで目の前が霞んだ。頭の芯がぼんやりとしていく。

「……全部、アルフレッドのものにして」

 絶え絶えとなった息を吐きながら、やっとの思いで言葉にすると、耳元で「仰せのままに」と声が響き、その唇が下へとさがっていった。
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